ミニシアター シネマ・ジャック&ベティにて再上映中の『ゴーストワールド(2001)』見てきた!
これぞ、拗らせキッズのマスターピース。
レビューがてら、勝手にキャラクターをMBTI診断していくよ。
!!ネタバレ含みます(知ってしまっても、映画を楽しむのに支障ない程度だと思うけど自己責任で)!!
イーニド: INTP
社会不適合者、型破り、理屈っぽい、独自の世界観、人を好きになると一途、共通の趣味を楽しみたい、知的好奇心強め
- 新聞の人探し欄にあった番号にイタ電しちゃう
- クラスメートやお店にいる変人を小馬鹿にする
- 何に関しても皮肉っぽい(黒人差別のアートを美術の授業で提出しちゃうところとか、アルバイトでお客さんにLサイズの飲み物を勧める時の言い方とか)
- レコードオタクやコレクション癖ある人など自分の趣味と似てる人に惹かれがち
レベッカ: ISTP
一匹狼、マイペース、クール、無愛想、女子っぽい空気感無理、現実主義
- イーニドと同様に人を小馬鹿にする(卒業式の"感動的"なスピーチでイーニドと目を合わせてしらけて見せる。陽キャのノリを裏でネタにして笑う)
- 思いつく冗談が男っぽい(ちょっと変わってる男の人を見ると、「わたしあいつとヤリたい」って言う。本気なのかよく分からない)
- 基本的に人に媚びない、愛想悪い
- イーニドと違い、仕事や家探しなど自立するための行動をしていて割と地に足ついている
- 癖強な人に対してイーニドは好奇心を持つが、レベッカは若干警戒心強め
(下二つはN(理想主義)とS(現実主義)の違いと見た)
シーモア: INTJ
几帳面、収集癖、オタク気質、センスがいい、拘りが強い、二面性、常識はある、この上なく孤独、自分の世界に閉じこもる、自己責任
- 基本口下手なのに、レコードとか好きなものに対しては早口になるオタク
- コレクションしている物は整理整頓され、常にいい状態にあるようメンテナンスする
- パーティとか知らない人とワチャワチャするのがめっちゃ苦手
- 運転すると性格変わる(普段は温厚なのに、短期で口が悪くなる)
- 自己表現と相手の気持ちを汲むのが苦手だから恋愛下手
- 自分の世界あるけど、仕事もしてるし常識もあって側から見れば普通の人
わたしの中のイーニド
彼女を見て、大学生だった頃の自分を思い出した(つい2年前なんだが)。
趣味が合う人は心の中で崇拝するレベルで推しまくり、そうじゃない人は眼中に入れないようにする。
オーランサークル入ってる奴、ボランティアサークル入ってる奴、体育会系、スーツ着ているつまらなそうなサラリーマン、ハイブラ身に纏った成金、ひろゆきとかDaiGoとか令和の虎に出るような起業家が好きな人、アフターヌーンティー行く女子、ディズニー気合い入れていく人、リア充、家族仲良しな人、大人数で行動する人達、流行りの曲しか聴かない人、就活ガチ勢、、(世の中の半分以上を敵に回してるね)
かつてはそういう人を冷めた気持ちで見ていた。
だからと言って、作中に出てくる美術の先生や、ティーカップにタンポンぶっ刺したものに取ってつけたような意味付けをして「アート」って言っちゃう子みたいに、気をてらった変な人にも絶対なりたくない。
自分は何にも染まらないことに意固地になり、気付いたら孤独。
大衆受けを狙わないような、意味深でトリッキーで自分にとっての面白い作品ばかり追いかけた。
つもりだった。
結局、自分自身はオタクに成りきれず、音楽も文学も映画もミーハーレベル。
だから、Tinderでオタクっぽい人を探しまくって影で崇拝。その人が勧める音楽を聴いて、本を読んで、話を聴いてもらうのが自分にとっての孤独を失くす方法だった。
そういうわけでイーニドが、シーモアに惹かれた理由がなんとなく分かる。
これから見る人へ
見る人を完全に選ぶ作品。
MBTIにSJある人は、見ていてキツい部分もあるかもしれない。音楽とかファッションが素敵なのでそういう部分は楽しめるかも。
NPの人は共感できる部分とかあって楽しめると思う。お勧めするし、一緒に語ろうぜ。
あとは、ユダヤ人、黒人差別ネタだったり、音楽のジャンルの細かい話が出てくるから、その辺に理解ない人は置いてけぼりになるかもしれない。でも、本質的なテーマは思春期の人間模様なので、そういうのに興味ある人は是非見てほしい作品。
ちなみに、彼(ISTJ)の鑑賞後の最初のコメントとしては
「最後の意味が分からなかったから、評価しづらい」とのこと。
超SJっぽい。
意味深な終わり方は、解釈を自分で想像したり、他の人と話し合ったりするのが醍醐味じゃん。というか結末以前に、キャラクターの描かれ方とか、作中に散りばめられたファッションとかカルチャーとかそういう部分も注目ポイントなのに!とツッコミたくなる。
最後のシーンの解釈
※ネタバレ注意(これから見る人は見ないで〜)
来ないはずのバスに乗ってどこかにいくシーン。
自分の解釈としては、高校卒業後の宙ぶらりんだった時間(引っ越すのか、仕事するのか、シーモアとの関係とか)から脱出して、新たな場所に行くことへの暗示。
何かを諦めて、決意するシーンだと受け取った。
社会に迎合して、意固地になることをやめる。
嫌だったものに自分がなるような。
わたしの場合は、諦めて真面目に就活して、社会人として自立すること。
ただ、ここの解釈の一つに、「自殺」というものがあった。
彼女のような(私のような)周りを巻き込んで駄々をこねられる女は図太く生きていけるものだと思ってたから、そういうオチなら結構ショック。
それに、自殺するにしても動機が微妙じゃない?
なので、私は「次なるステップ」の隠喩として解釈することにします。
シーモアがカウンセリングにかかるシーンはイーニドの妄想ということで。
自分が一途に愛していた人が、自分が忽然と姿を消したことで狂わされて欲しい、というメンヘラ思考。
おわり