心が弱めな若手SE(仮)のあれこれ

平穏な人生の運用管理

平野啓一郎著 『私とは何か 「個人」から「分人」へ』を読んで、心が軽くなった話

 

こんにちは、まゆです^^

 

先日、『私とは何か「個人」から「分人」へ』を読んで、

心が軽くなったので、紹介します。

仕事でうまくいっていない人、何かネガティブな感情がある人、

ぜひ読んでみてください。

 

★目次

 

この本について

概要

この本は普段は小説を書いていらっしゃる平野啓一郎さん著です。

<本当の自分>はひとつじゃない!
小説と格闘する中で生まれた、まったく新しい人間観。嫌いな自分を肯定するには?自分らしさはどう生まれるのか?他者との距離をいかに取るか?ー恋愛・職場・家族など人間関係に悩むすべての人へ贈る希望の書。


引用:平野啓一郎公式サイト

https://k-hirano.com/books/watashitohananika

 

内容ちょこっと紹介

たった一つの「本当の自分」なんて存在しない。

対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」である。

この考え方がこの本の基本となる考え方です。

二つ目の対人関係ごとに見せる複数の顔、それを分人という言葉で表しています。

 

例えば、本当の自分を探すとかあの人といると本当の自分でいられる

みたいなフレーズってありますよね。

でも実際は本当の自分というものは存在しなく、

色々な人に見せる複数の人格全てが

本当の自分なのだというイメージです。

 

例えば、普段はそんなうるさい感じではない友達が、

SNSでは人が変わったように活発で、高頻度で投稿していた時。

 

この時、

この子本当はこういう人だったんだ…!

って思ったり、

私には本当の自分を見せてくれてないかも…?

って不安になったりしませんか?

私は学生時代にこういう経験ありました…

 

でも、この本では個人は複数の分人で構成されているという考えで、

自分に向けた分人とSNSに向けた分人が違っただけ、

どちらも本当の姿。そんなイメージです。

 

読んだきっかけ

この本を読んだきっかけは夫に勧められたからなのですが、

夫曰く、たまに聞く「あの人、本当はこういう性格らしい」みたいな会話に

漠然と引っかかっていたらしく。

結局はどっちもその人なんだから、「本当は」とかないんじゃないの?と思っていたらしい。

 

たまたま何かの記事を読んでいる時にこのモヤモヤを言語化してくれていそうな

この本に出会い、読んでみようと思ったとのこと。

 

読んでみると、モヤモヤの原因が分かったと同時に

分人の考え方が、私の助けになりそうだと感じたらしく、勧めてもらいました。

 

 

心が軽くなった考え方

自分=分人の集合体であると考えることでリスクヘッジできる

リスクヘッジとしての分人主義

複数の分人の同時進行のプロジェクトのように考えるべきだ

私はこれら文章を読んだ時、ホッとするような安心感を覚えました。

分人の集まりだと考えることで、一つの分人がダメでも

他に自分が好きだと思える分人がいればいいよねというイメージです。

 

例:仕事での経験

社会人だと、1日のうち仕事が占める時間が長いですよね。

そうすると分人も仕事向けの分人でいる時間も長いわけです。

 

前の会社では1つのプロジェクトにアサインされていて、

保守・運用だったので、いつ終わるかも分からないプロジェクトでした。

 

このプロジェクト向けの分人を分人Aとすると、

「この仕事、自分には合わないかも」と思った瞬間、

分人A = 仕事向けの分人

つまり自分の中の多くを占める分人がネガティブな感情になります

 

それに比べて、今の会社では複数プロジェクトにアサインされる方式です。

職業的にプロジェクト自体も数ヶ月、長くても一年くらいのものしかなく、

中には10個くらいアサインされている人もいます。

これはこれで大変じゃないかとも思いますが、私の中では精神的に楽です。

 

分人A+分人B+分人C+… = 仕事向けの分人なので、

このうち分人Aがネガティブな感情になっても少しのダメージで済みます。

 

リスクヘッジにもなるし、

分人Cは上手くいってる

→ こういう作業は好きなんだ、この人たちとは上手く行くなど

解決策を見出せると思います。

 

と言ってもまだ入って間もないので、

本当に複数プロジェクトの方が精神的に楽なのか、

長期的に観察したいと思います^^;

 

消したい/消して良いのは不幸な分人だけ

消してしまいたい、生きるのを止めたいのは、複数ある分人の中の一つの不幸な分人だ

心に響いた言葉の中でも一番衝撃的な言葉でした。

不幸な分人は消しても良いが、決して個人そのものを消してはいけない

という強いメッセージが込められていると思います。

 

仕事で病んでいた時に、何度か消えたいと思うことがありました。

私は最終的にそのプロジェクトから外れるという方法で、

不幸な分人だけを消しました。

分人を消してしまえば、自然と他の分人からもネガティブな感情が消え、

もっと早く辞めればよかったと心から思いました。

 

自分が複数の分人で構成されていると考えると、不幸なのはその分人だけ。

ネガティブが派生して、他の分人も不幸に見えてしまっていたけど、

振り返ってみると、不幸なのは仕事向けの分人だけでした。

 

そう簡単に不幸な分人を消せない、他の分人も不幸だという人は

ぜひ次の言葉も読んでみてほしいです。

 

好きな分人を足場にして生きる

足場となるような重要な分人を一時的に中心として、その他の分人の構成を整理することもできる

上手くいっていない分人もいれば、上手くいっている分人もいる。

仕事ではネガティブでも、友達や家族の前では生き生きとした自分でいられる。

自分が好きだと思える分人を中心に考えて生きていく

そう思うだけで少し気が楽になりませんか?

 

一人でいる時にも分人を使い分けているとのこと。

どうしても上手くいっていない分人に影響されてしまいがちですが、

趣味をしている時の自分など、好きな自分でいられるという分人を見つけて

その分人を中心に生きていけたらいいなと思います。

 

まとめ

冒頭にあった、あの人といると本当の自分でいられるというのは、

この本の考えで言うと、

(複数の分人がいるけど、)あの人といると自分が好きだと思える自分でいられる

なんだと思いました。

 

と同時に、

本当の自分を見つけるというのは自分が好きだと思える自分を見つけるというのが

本当に素敵な考え方だなと思いました。

 

他にも恋愛の話や平野さん著の小説に絡めた話など読み応えがあるので、

ぜひ皆さんも読んでみてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!